私に恋してくれますか?

冬の日。

2月の初め、私は胃カメラの検査に行った。

この間受診した時に内服薬をもらったので、そう、調子は悪くない。

「今日は送られないように。」とトオルくんは私の顔を覗く。
「…はい。」と少し顔をしかめてうなずいた。

この間からトオルくんは、
足立先生を毛嫌いしている。
キザな格好だったとか、話し方が上からだったとか…

まあ、トオルくんよりきっと年上だし、
ブランド物のスーツやネクタイや時計もしてたかな?

「いいんじゃないかな、別に。
トオルくんの主治医って訳じゃないんだし。」と言ったら、

「ピーコはああいうオトコがいーのか?!」とか言い返してくる。


そういう問題じゃ、ないと思うんですが…。

私が上目遣いで見上げると、
トオルくんはバツが悪そうに目を背け、

「気をつけて行ってこい。」と仕事に戻った。

桜井さんと左近さんが笑いながら、行ってらっしゃいと見送ってくれた。







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