哭く花
はじまりの雨


静鳴は今日も雨です。

休校は長くて、



そこまで書いたところで、見合う言葉をが見つからず

古ぼけたノートを閉じた。


窓際の机から外を眺める。


雨はまだ止みそうにもなくて、

家の前の道はすべて川へと変化していた。

緩やかな流れ。

まるであの時のよう。


手元のノートに目を落とす。

もう1度折り癖の着いたページを開いて

しばらく考えた後、


先生に会いたい。


そう書き込むと、

美岬ご飯よ、

そう私のお母さんが優しく呼ぶのだった。
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