まじめっ娘とイケメンくんの恋
先輩


6月・・・
はやここでの生活も慣れたこの頃
今日はバイト先の懇親会
場所はもちろんバイト先。


懇親会と言ってもお店のメンテナス目的
みんなで大掃除をしてから
後でお疲れさん会に変わるだけ。


ビールケースを業者が受け取りにくるからと
あたしはそれを外へ出す役目。


中身がないと言っても
重いんですけど!


「山本さん大丈夫?」


「あっ!平気ですよ
このくらい」


「女の子なんだからさ
他の仕事すれば?
拭き掃除とかさ
力仕事はオレらに任せて」


女の子・・・。


そういう扱いに背中がムズムズとする。


「何?」


「初めて女の子扱いされた様な気がします」


「そーなん?」


元春さんや謙太さんには
田舎者・女っ気ゼロだと言われてるし。


「店長も言ってたよ
山本さんって変わったって」


「ああ・・・」


「何かの心境の変化?」


「ルールシェアしてる相手が
色々教えてくれてただでやってくれるから」


「へぇ~ただで綺麗になれていいじゃん
で?彼氏いんの?」


「彼氏・・・それが・・・
こればかりは相手が要ることなんで
どーすることも出来ないけど」


「何なら紹介しようか?」


「いや・・・あたしなんか
紹介したら『つまんないヤツ紹介した!』
って怒られちゃいますよ」


「謙虚な性格だね」


「変わってるってよく言われます」


二人で笑ってると
他の仲間が『こら!サボるな!』
と外へやって来てそこでまた
色んな話になった。




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