イジワル御曹司のギャップに参ってます!
第六章　歩み寄れないその距離で
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「ＣＭのイメージを具体化してきました」

週明けの月曜日。『東京ラブランドパーク』へ行った私と氷川、市ヶ谷くんと青山さんの四人は、小さな会議室でミーティングを行った。

私は紙にざっくりとＣＭのラフ案を描いて、コピーしたものを彼らに配り、反応を見た。

ＣＭのテーマは、『恋に狂う人魚姫』。

暗い海底から、愛する王子を眺めるあどけない瞳の人魚姫。
二人の間に立ち塞がる、種族の壁。
やがて彼女は、愛おしさに耐えきれず、王子に会いに行こうと決意する。
一糸まとわぬ純朴な彼女は、
輝かしい宝石を身に着け、麗しいドレスを纏い、大胆な深紅のルージュを引く。
まだまだ子どもだった彼女は、王子に最後の誘惑をするため、大人の女性へと変貌する。


クライアントの大手化粧品メーカー『ジュエルコスメ』は、その会社名の通り『輝く宝石のような化粧品』というコンセプトを打ち出している。
今回のＣＭにも、光り輝く宝石を前面に散りばめて、『闇の中に輝く幾憶もの光』という幻想的な情景を表現する予定だ。
化粧なんてまだ知らない恋する女の子が、ジュエルコスメの化粧品を使って、美しい大人の女性に変貌する――それが今回の、最大の見せ場である。

闇と光、お姫様の恋というビジョンは『東京ラブランドパーク』でインスパイアされた結果でもある。
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