向日葵の天秤が傾く時
「あ、そうそう。篁くん、今日の夜は衢肖さん借りるわよ。」


「借りるって?」



「女子会。帰りは私達が送ってくから。」


「出る幕ナシでーす!」



鮖が突然言った言葉に瞠屡と学未も続く。



「いつも篁くんとじゃ飽きるでしょ。たまには私達と一緒に楽しみましょ。」


「それは、行きたいですけど……」



樺堀も加わり、巫莵は遠慮がちに卿焼を見る。



「俺のことは気にしなくていいから、楽しんできたら?」


「はい!」



仕事に戻りながらも話に花を咲かせる女子達。



「いいんですか?」


「無理強いは出来ないだろ。それに鵬承さんの目が…な。」



鮖の目には何故か有無を言わさない、という力が込められていた。


それに気付いたのは卿焼だけではない。



「どういうつもりだ?いきなり宣言みたいに女子会って。」



「ちょっとね。」


「ちょっとってなんだよ。」



「女の勘、私の勘。邪魔しない、黙って。」



突っ掛かる節を強制的に会話を終わらせ、女子会の会話に鮖は加わる。



「どうしたもんかね。」



この仲の良い従業員達を守るには。


頭を悩ませる薔次だった。
< 18 / 33 >

この作品をシェア

pagetop