向日葵の天秤が傾く時
ツエーンで幕を引いたのは
「寒紺弁護士と正午にアポが取れました。午前中は先約があるとの事で。」


「分かった。」



「後2時間か。」


「示談は決裂決定なんだから気合い入れないとね。」



節と鮖は時計を見て確認しながら薔次と共に会議へと移動する。



「長くなりそうだししっかり食わないと、ですね。」


「万全の態勢で臨まないと、だろ。鵬承さんが言うように衢肖さんを絶対守らないと。」



驛の心配はそこなのか、と卿焼は呆れるが長丁場は覚悟しないといけない。



「何か出来ることがあれば何でも言ってね。」


「私達は衢肖さんの味方ですから。」



「ありがとう…ございます。」



瞠屡と学未も陰ながらでも支えたい思いを口にする。



阜紆奢…ひいては蛞拓との全面対決に、事務所一丸となって挑もうとする雰囲気に包まれ動こうとしたその時。



「巫莵っ!」


「っ!」



事務所のドアを破る勢いで開け怒鳴り込んで来たのは。



「あ、瀑蛞拓!」


「何だよいきなり!」



驛は指を指し卿焼が見た先には、威圧的な雰囲気の蛞拓がいた。


入口付近の瞠屡と学未は固まり、背を向けていた巫莵は振り向けないでいる。
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