弱虫なボク~先生と生徒の距離~
鞄の中身
教壇付近にあったはずの僕の鞄が消えてから、


穴が空いたビーチボールのように、
全身の力が抜けていた。


僕をそうさせる原因は、鞄の中を誰かに見られたら…


『不安』と『焦り』という言葉が僕の力を奪っていた。


教科書とか筆記用具とか、そんなモノは別にどうでもいい


ただ、ただアレだけは絶対に見られたくない。


自分の席の椅子に座り、僕は頭を抱えながら、


何度も何度も、神様に祈り続けた。


『アレだけは絶対に返して下さい!』
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