***


徳々麺での居候生活四日目。

現在、昼食時。



「今日も全然お客さん来ませんね」


「あはは、そうねぇ…まあいつものことさ」



お菊さんはのんきに言うけど、いったいどうして潰れないんだろう…?

だって、私が来てからの四日間、一日に来る客は毎日、両手があれば十分数えられるくらいの数しか来ていない。


私は店を手伝うべく、ほとんどの時間店にいるが、正直かなり暇だ。



当たり前だけど、この時代には掃除機も洗濯機もない。

そんな家事を手伝ってみると、その大変さが身に染みて分かった。


時間がめちゃめちゃかかる。


でも、洗濯機なんかがないのと同時に、テレビなんかの暇を潰せるものもないから、お客さんが来ないと、やっぱり暇。


それで私は退屈そうに何度も机を拭いているのだ。


厨房にいた太一くんも、座敷の方に出てきて私達の会話に加わってきた。



「まあ、この辺じゃあうどんより蕎麦の方が人気だしな。あとここは場所も悪い」


「確かに…お店の前の坂けっこうキツイですよね」