漂う嫌悪、彷徨う感情。
浮遊する想い。


-------苺狩りとは、何を着ていくのが正解なんだ??

佐藤にチケットを渡され、小田さんと苺狩りに行く事になり、着る服さえ選べずにソワソワしていたら・・・。

「寝坊したー!!」

ちゃんとアラーム掛けて寝たはずなのに、変な時間に寝たのが災いし、目が覚めたのが集合時間の30分前。

昨日決めた洋服には袖を通せたが、頭はボサボサのまま家を出る。

何をやっているんだ、オレは。

何年ぶりかにしゃかりきに走り、何とかギリで集合場所のバス停に到着。

「良かったー。 岡本さん、来ないのかと思いました」

目の前には胸を撫で下した小田さん。

「来るよ!! 楽しみにしてたから!!」

肩で呼吸をしながら乱れた息を整える。

「楽しみにしてたわりに、遅れるんですね」

小田さんが呆れた視線を浴びせる。

「楽しみにしてたら眠れなくなったの!!」

そんな小田さんの背中を押しながらバスに乗り込む。

「小学生か」

『ふふふ』と小田さんが笑った。
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