愛する人
八話

✳️✳️沢山のエール


私は、次の日 母に電話した。
「あら、珍しい
紫海、かわりないの?」
と、母。
「お母さんもかわりない?
私は、元気よ。
母さん 今日電話したのは
他でもなくて
あってもらいたい人がいるの。」
と、言うと
「あらっ、嬉しい。
いつ、あなたがそう言って
くるか、待ち通しかったのよ。」
と、言われて
「お父さんの予定を聞いて
連絡するね。」
と、母は言ってくれた。

そのことは
櫂にも報告した。

櫂は、翌日会社に行くと
会社に呼ばれて
“コンコン”
「櫂です、入ります。」
「ああ、入れ。」
「昨日は、我が儘を聞いて頂いて
ありがとうございました。」
と、俺が言うと
「その事なんだが、困ってるんだよ。」
と、言われて

櫂は、批判が凄いのだろうと
思っていた。

だが、自分がやったことだ、
責任は、とるつもりだったから
「俺が・・・・・」
と、言いかけると
「会社の電話が、会見後から
なりやまないんだ。

会社の人間を総動員して
当たっているが、追い付いてない。」
と、言われて
「申し訳ありません。
   全て、俺のせいです。」
と、言うと
「まあ、そうだな。
確かに、お怒りの言葉もあった。

公共の電波を私利私欲で
つかうんじゃないとか。

だがな、と言って
FAXや、ネットのコメント
電話の伝言メモをみせてくれた。

その内容は、
どれも、櫂に対してのエールや
私も頑張って告白しますとか
プロポーズしますとか
Kaiさん、かっこいいとか
彼女さんを幸せにしてあげてとか

沢山の声援だった。

櫂は、全てに目を通し
涙が溢れた。

社長は、その姿を
嬉しそうにみて
「櫂。あの時の皆さんとの
約束は守れよ。
それと、声援をくれた皆さんには
仕事で返すんだぞ。」
と、言ってくれたから
「はい、必ず。
ありがとうございました。」
と、言った。
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