情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
《4》40本の薔薇

蓮side~

「一時はどうなるかと思ったが、お前の恋人の父親の会社は『帝和銀行』の融資を受けて、倒産の危機は免れたようだな」


「はい」


「女の遊びの激しかったお前に六年もよく耐えてもんだな・・・」


「彼女の懐の大きさには感謝します」

「結婚すれば、蓮お前の方がその日葵さんに頭が上がらないかもな」

「それは大丈夫だよ。親父」


――――――頭が上がらないのは日葵の方だ。

彼女はその融資と引き換えに俺と結婚するんだ。



「下がっていいですか?」


「いいぞ。蓮」


「失礼します」

俺は社長室を出て隣の副社長室に戻り、デスクの備え付けの椅子に深く腰を下ろして軽く息を吐いた。


 『帝和銀行』から見放された『金森薬品』


俺は『帝和銀行』の元頭取であり、三十八歳で総理となられた伊集院敦司(イジュウインアツシ)様の手を借りて、何とか融資の承諾を貰った。


その代り、その融資額の半分を俺が負担する羽目になった。

早く、社長に就任してその金を返済せねば・・・





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