暇なんでしょ?って、恋人いないし時間もて余してるんでしょ、に聞こえる……。

確かにそうだけど、今は小野原さんという存在がある。

……まだ恋人ではないし、次の約束もしてないけど……。

母には、ちゃんと確定してから小野原さんのことを言おうと思った。

『ね、お願い。お父さんとお母さんの代わりに、行ってきてくれない?何も、午前中から行って、って言ってるわけじゃないのよ。夕方、あちらに着く感じでいいから』

夕方……?そんなに遅くていいの……?

「……でも、何年かぶりに会う私なんかが行っても、喜んでくれるのかな?」

『もちろんよ、谷山さんご夫妻は、昔から香奈のこと、実の娘みたいにかわいがってくれてたから』

「……だけど」

『お見舞いの品、香奈に買ってきてもらうのは悪いと思って、こっちで用意してるから、今から宅配便で送るわね』

「ちょ、ちょっと勝手に……」

『それから、お見合い相手の写真も送っておくから』

「それは、要らないから!お見舞いの品だけ送っといて!」

私は、早口で言うと、急いで電話を切った。

お母さん、お見合いの件、まだ諦めてなかったんだ……。

それよりも、結果として、自分からお見舞いに行くことを承諾してしまったことに、少しため息が出た。

まあ、谷山家はここから隣の市だし、そんなに遠くないから、いいか……。行って、あくまで代理なんだから、ご挨拶だけしたら、おいとましよう。