どん底女と救世主。



耐え切れなくなって、ちょうど畳んでいた洗濯物の中から着替えを投げた。


「ちゃんと服着て下さい、主任!」

「主任じゃない」


ああ、また…。どうも私は焦ると昔の呼び方に戻ってしまうらしい。


私が投げた黒のTシャツを着ながら眉間に皺を寄せ、少し不機嫌そうになる課長。

大体、課長がそんな格好で出てくるから悪いんだ。

元々ここは課長の家で、私はお世話になってる身だからそんなこと口が裂けても言えないけど。

だけど、私は今頭の中がパニックなんです。あなたのその格好とあの日の台詞のせいで。

なんて、口にもできないことを心の中でひとり叫んでいると、


「それはあれか。俺は課長の器じゃないと」

「いや、ちがっ」


課長から思ってもなかった言葉が出てきた。

まずい、そういう意味じゃなかったのに…。

ただ単に私が順応出来てないだけで。私がひとりパニックになっているだけで。

課長はもう誰もが認める立派な課長なのに。

そう弁解しようとしたとき、


「罰ゲーム決定だな」


課長の口からとんでもないセリフが飛び出した。


え?私なにやらされるの…!



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