どん底女と救世主。


課長の隣はとても居心地がよくて、何というか、こう、ぬくぬくと暖かい感じがする。


かつてはあんなに苦手だったはずなのに。

名古屋に行くと知ったときにはガッツポーズまでしたし、帰ってくると聞いたときには本気で落胆した。

それなのに…。

それなのに今は、一緒に居るとただそれだけで安心する。


私の中で、深山課長の存在がだんだんと変わってきている。

それは、もう認めざるおえない事実で。


もう少し、もう少しだけでいいからこのままで居たい…。


なんて、思うのはわがままなのかな。


静かに更けていく夜、甘いプリンを頬張りながら、『隣で感じる暖かな温度がいつまでも消えませんように』そう、何故そんなことを想うのかもわからないまま切に願った。

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