年下男子とリビドーと
最後の時間

わたしは毎日、最後の成海くんの言葉の意味を考えていた。

あの時わたしは上手く頭が働かず、その真意をとらえることが出来なかったが……。
要は、わたしの年齢を知って怖気づいたということでは……?

なぁんだ。紘希がどうこうという問題ではなかったのか。
わたしはベッドに背中から倒れ込み、天井を見つめた。
そして、自分の思考回路に涙が滲んだ。

そうじゃないと思いたいけれど、あれから何の音沙汰もない。
彼が自ら、就活に専念すると宣言したのだし、連絡先も知らないのだから、当然のことだけれど……。
あの時、年齢については、何のフォローも無かった……。
どんどんと、思考がネガティブな方向へ流れていく。

あれから既に10日程が経っているが、成海くんはほとんどシフトに入っておらず、まれに入っていたとしても、全く被らない。
これは、避けられている……?そう思える程に。

6月も終わりが近付いている。
わたしは、決断をしなければならない。

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