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十一月に入ると寒さが増して、コートが厚手に変わる。

昨日の夜は雪が降っていたが、それは積もることなく朝の日差しにすぐに溶けて消えていた。

雪とガラスのマリアージュ企画の進捗状況は順調で、始動時の『本当に間に合うのだろうか?』という不安から今は、『きっと上手くいく』という期待に変化していた。

支社長がリーダーシップを取ると、安心して仕事ができる。

そのずば抜けたビジネス力に感心しつつ、時折、彼の夢物語を思い出していた。

本当にやりたいことは、ガラス職人なんだろうね。

私なら迷わずやりたい方へ進むけれど、彼は周囲に迷惑をかけるからできないと言った。

御曹司って、不自由なんだね……。


冷たい初冬の風に吹かれ、枯葉を踏む。

支社長の整った横顔を見ながら、彼の恵まれた身の上に同情していた。

私は今、支社長に同行して大通公園の西八丁目に来ている。

ここには有名な彫刻家が作った芸術的な石の滑り台があり、母親に見守られて厚着をした幼児が楽しそうに遊んでいた。

滑り台の付近は芝生だが、他のだだっ広いスペースは赤れんがふうの地面で、フリースペースとなっている。

初夏にはこの場所によさこいソーラン祭りの大型ステージが設置され、その他物産展や、ビアガーデンなど、各種イベントに使用される場所だった。