セットし終え、リモコンを持った直人はソファに戻ってきた。直人がわざわざ映画を選んで、こうして用意してくれたことに、また心躍る。

「それで、直人はなにを選んでくれたの?」

「晶子の反応が楽しみなものを選んできた」

 私は首を傾げる。ホラーものだろうか。それともスプラッタ系? 観れば分かる、と促され、私は視線を画面に移した。

 雪景色から映画は始まり、誰かが吹雪の中を歩いている。最新のものではなく、一昔前のもののようだ。それにしても、ここまで観ていまいちピンとこない。

 これは映画が好きな私にとっては、ものすごく珍しいことだった。直人はどこからこれを選んできたのだろうか。そう思って観ていると、場面が変わった。そして

『おばあちゃーん』

「キャー!」

 反射的に私は叫んだ。急いで消そうとリモコンを探すも直人が持っている。

「晶子、煩い」

「これ消して! なんで、わざわざ」

「俺はこれが観たいんだ」

 きっぱりと言われ、私は言葉に詰まった。こんなやりとりをしながらも映画は着々と進んでいく。思い切って部屋に戻ろうと立ち上がろうとしたとき、直人に手を取られて阻止された。