少年と少女 ~出会い~
タイトル未編集
「お前を色に売った。」

バイトから帰ってくると、実の父親にそう告げられた。

その時、私はまだ12だった。

「いくらで売ったの…」

「50万ソニーだ。」

50万ソニー…

たった50万ソニー…

それが私に付けられた価値。



父親はバイヤーはもっと出せたはずだとか、ケチなヤローだとか何かわーわー言ってるけどそんな言葉は全部私の耳を通り過ぎていって頭に入ってこなかった。



いつか売られるんじゃないかとは思ってたけど、本当に売られるとはね…

父と娘二人スラム暮らしで、その日生きるのがやっとだった。

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