君と僕の白昼夢

絶望




「卓、起きて」


5回目……


俺はずっと突っ伏していた。

起きたくなかった。


「卓?」

日和の声がする。

「卓、いつまで寝てるの」

「ほっといてくれ…」

今は…ひとりにしてくれ…


たったひとりで時空をさまよう気持ちがわかるか?

何度も何度も、大切な人が死ぬのを見て。

頭がおかしくなりそうだよ。

ひとりきり。みんなには普通の初めての“今日”でも俺は違う。

何回も何回も…“今日”を続ける。

ひとりで。


「卓…」

俺を気にする日和。

俺は起き上がり、日和を睨みつけた。

「ほっといてくれ」

日和は一瞬、怯えた目をした。

もう、嫌だ。

永遠にこれが続くのか…?


耐えられない耐えられない耐えられない…!!!

あぁ、ほらまた…。

震えが止まらない。

近くにそばにそこにみんないるのに…

俺は今、ひとりなんだ。



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