強気な彼女は逃走中
拒否!
『立花…。』

びっくりするほど情けない声が出た。

「泣いてるアリア、久々に見たわ。」

泣いてる…。

泣いてた。

立花の優しい苦笑い。

その顔で余計に泣けてくるわ。

「まずはお風呂入っておいで。話しはそれからよ。」

そんなにひどい顔してるのかな。

自分じゃもう、よくわかんない。

返事の代わりに頷いて、お風呂に入り、立花が髪の毛も乾かしてくれた。

私、思ったよりずいぶん夜都のこと好きだったみたい。

あんなに強気で逃げてたのにな。

自分で自分がバカみたい。

立花が紅茶をいれて、私に渡してくれる。

お礼を言ってから受け取って、少しずつ話し出した。
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