強気な彼女は逃走中
逃亡!
「いい加減ため息うるせぇぞっ!仕事終わったんなら帰れ!」

はぁぁぁぁぁ。

横暴編集長めっ!

アラフォーのくせに妙に色気のある独身男が私に向かって怒鳴っている。

キッと睨み返して、また何も言わずため息をはく。

「桃、何かあったか?なんて、聞いてやんねーぞ。どうせ男だろ?」

『なっ、セクハラですよ!』

(ちなみに、桃は私の愛称です。名字が桃瀬で桃。入社当初から呼ばれてます。)

すかさず突っ込むけど、なんでわかったの?

顔に出てたのか、編集長は私の前に来ると。

「玄関前に三日間連チャンでいる背の高いイケメン、お前の彼氏だろ?一度見たら忘れねーよ、あんないー男!」

『……元カレです。そして、もう会いたくないんです。』

目も合わせず、俯いたまま。

だってもう私の中で話しは終わったの。

元カノがいるのわかってて。

あのお店に夜都は行けるのよ!

理由もはっきりしないし、慌てて弁解する素振りも見せず、普通に元カノとか言っちゃって何度も行っちゃうし。

心が狭いのはわかってるけど、ムカつくのよ。

考え方の違いだけど、私の中で許せない部分だわ。


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