偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
◇それも理由のひとつですか
――― ◇それも理由のひとつですか

*****


「し、仕方ないから結婚してあげますよ!」


翌日。私は社内にいる柳原さんを非常階段に呼び出し、例のものをささっとぶっきらぼうに手渡した。

……私が署名捺印した、婚姻届を。


「何だよ、仕方ないからって…」

「だって……」

「お前、自分がものすごいイイ女だとでも勘違いしてんじゃないのか?
俺は一人で孤独死するようなお前の寂しい人生を、可哀想だから拾ってやるって言ってるだけだ」


受け取った婚姻届に視線を落とし、抜けがないかチェックしながらも、目の前の男は辛辣極まりない言葉を言う。

ったく、社内の表向きな態度と違って性格悪いんだから。


「……わかってますよ!」


わかってる。
自分がイイ女じゃないことも、寂しい人生を送ろうとしてたことも。

だからって正直に面と向かって言わないでもらいたい。
さすがに傷つく。

だから、結婚してくれることに感謝します、なんて絶対言わないんだから!

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