願いが叶ったその時…
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光「百合さん、今日はミルクティにしましたよ」


「あ、ありがとう、」



あの日から光琉は、態度が変わった。
毎日笑顔で過ごして休憩してる私には
飲み物を持ってきたり、
遠慮しても手をかしてくれる。

転んだときはもう大慌てで
今度は私が戸惑う番だけど…
夏風の前での光琉のようで
私は少し嬉しくなった。


夏風の方は光琉が素直になってくれて
嬉しそうでもあったけど
一緒にいることについては不満らしい



光「あ、百合さん、」


「はい?」


光「若から買い物に行ってみてもいいと
  許可があったんですが、どうします?」


「…」



足もだいぶよくなってきたのは
夏風だってわかってる。
だからこそ、気分転換になればと思ったんだ。
でも…外にでて、良いことはある?

またあいつらに会ってしまったら…
私が誰かに襲われたら…
夏風は仕事をほっぽってまで私の所に
来ようとしてしまう…

それならいっそうのこと…
ずっとこの中にいれば安全だ…



光「…百合さん、若に何か贈り物をしてみては
  どうでしょうか」


「贈り物?」


光「はい、あぁみえて若
  殆ど何も身につけてないんですよ」



確かに…ピアスの穴も開けてるけど
つけていたのは見たことがない…
指輪、ネックレス、ブレスレット…
考えてみれば一度も見たことない



光「知り合いの店があるですけど、
  どうします?」


「…行きます!」




 
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