咲くやこの花、誠の旗に



(とりあえず大きい物から整理しよう)


よし、と小さく意気込んだ咲耶は早速掃除に取り掛かった。






1時間ほど経っただろうか。


努力の甲斐あって足の踏み場も無かった部屋はそれなりに綺麗に片付き、終わりが見えてくる。


(あとは小物だけかな。)


大きなダンボールの中に、大量の小物が無造作に入れられている。


中身は見るからに高そうなアンティーク品ばかり。


こんな適当に入れてしまって良いのか、と咲耶は若干呆れたが小物の山の中で、1つの鏡に何故か目を奪われた。


特に周りに突出して光り輝いている訳でもないし、むしろ他の物よりも地味で、フチが少し錆びれている丸い父さな鏡。



咲耶は導かれるようにそれを手に取り鏡が入れられている透明な箱の蓋を開け、中から鏡を取り出した。



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