咲くやこの花、誠の旗に


咲耶の頭はより一層混乱する。



「どうなってるの…?」



そう呟いた直後、咲耶は何やら周りが騒がしいことに気が付き顔を上げた。


そして、そこに広がっていた光景に目を見開く。


咲耶の周りには、咲耶を囲むようにして人だかりが出来ていたのだ。


集まった人々は明らかに周りから浮いた身格好をした咲耶を不思議そうな顔で見物している。


そんな好奇の目に咲耶はたじろぐ。



(もう…、訳がわからない…。)



地面に座り固まったままでいると、腰に刀を携えた侍のような男が2、3人、人混みを割って入り込んできた。


険しい顔つきで咲耶に近づいてくる。


(何なのこの人たち…?)


不信感を感じた咲耶は反射的に後ろへ後ずさった。


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