農民生まれの魔女
新しい日常

私は勘を頼りに歩いた
時々身体が痛むが、イヴは親の居る安全と分かる所まで行きたかった

「はぁ、はぁ え!ここはお庭かな
すごく綺麗!」

イヴは歩いていると中庭へ出た
高級な花から野花までより取り見取りだ
それに毎日手入れしているのか、花の高さが均等に揃っている

そしてイヴはこの屋敷から出る事を忘れ
お花畑に寝っ転がった

「あはは、気持ちいい」

寝っ転がった状態ではしゃいだ
でもはしゃぎ疲れてだんだんと眠くなってきて
うとうとしていたら


「おい、こんな所で寝るんじゃない!」
突然怒鳴り声が聞こえてきて
眠気が吹っ飛んだ

「わぁ、あなた誰。びっくりさせないでよ
死ぬかと思ったじゃない!」

「それはこっちの台詞だ
お前は誰だどこから来た」

「貴方ね、まず自分から名乗るのが礼儀ってもんでしょ!」

「わかった、俺が言ったらお前も言えよ。
俺の名前はアレン・パルソンだ」

そうドヤ顔で言うが
イヴにとっては初めて聞く名前だったので
そうですか、としか思えなかった

「へぇーー、そうなんだ」

棒読みで言ったら
アレンは驚いたように目を見開いた

「お前俺の事知らないの?」

「いや今知ったけど、どうしたの」

「いや、何でも無い
それよりお前は誰だ?」

イヴはその言葉を無視して
お花畑にふんぞり返った

「ここ綺麗だね、気に入ったわ」

「おい、はぐらかすなもう一度聞くお前は誰だ
ちゃんと答えないと警備の人にチクるからな」

「分かったわ、私の名前はイヴよ」
イヴはやっと決心したように言ったが
アレンの方は満足しなかったらしい

「それで、どうやって此処に入った」

「知らない」


「それはないだろお前は記憶喪失か
早く吐け!」


「本当だもん、私だって分からないよ!」

イヴは今まで保っていた物が吹っ切れたように泣き出した
自分でも次から次へと溢れ出て来る涙に戸惑い
目を開いたまま泣いていた


「な、泣くなよ」

アレンは目の前で泣いている女の子
をどうすればいいか焦った
なんせ今までの女子と言えば媚びるか一線を置くかの二通りぐらいだったから
こういう場合の対処法が分からなかった










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