農民生まれの魔女
本の虫

学校にも慣れてきて
余裕が出できた時イヴは気付いた

自分の魔力の出どころに

数日前


「では皆様
これから魔法の実践授業を始めます」

先生の言葉に、子供達は貴族らしい気品の有る声で はい と言った

今日もいつもの様に魔力が出ず
からかわれるのかと思っていたから


みんなが練習している中こっそり抜け出して
イヴは図書館へ行った
もう日々の日課となっているので
罪悪感というものも薄れてきた


イヴは農民の頃じゃ読めなかった
魔法書に興味を持った

魔法書には、いろんな呪文や魔法陣が
書かれていて
この魔法使ってみたいとか、この魔法が使えたら素敵だなみたいな事を考えて楽しんでいた

いつもの様に、奥にある本棚へ足を運んだ

だがいつもの風景とは少し違った

今日は先客がいたのだ

「あ、また会ったね、イヴちゃんはサボり?」

「貴方はっ」

今は授業中なので
普通だったら居ないはずの子がそこに居た

「ケイト君?」

あっやばい
話しかけたら駄目だ

私が名字偽装したいって
言ったらアレンにきっぱり嫌だと
断られたのだ

じゃあ最初から言わなければ良かったのに
と思ったが
アレンのうるうるした瞳を見たら
断りづらく、結局今まで引きずっていたのだ



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