溺愛されてもわからない!
友達100人できるかな?

学校の敷地に入ると
ブワーッと土ホコリが舞い
色んな音が私の耳を攻めてくる。

スカートの裾を押さえて
私は前を見て驚く。

車とバイクがいっぱい。
パラララパラララーァって、バイクが音を鳴らしてグルグル走り回ってるし
平べったいタイプの車が並んでるし
校舎にはカラフルなイラストや横文字が並ぶ。

校舎に絵を描いていいんだ。
バイクも車も許されるんだね。

都会ってすごい。

目を丸くして
あちこちキョロキョロしながら
学校へ進んで歩く私。

マスクしてる人が多いな。
ホコリが多いのだろう。
みんなホコリでつらいのか
目を細めて眉間にシワよせてるよ。

気のせいが視線が痛い。
まだ制服が間に合わなくて
前の学校の制服だから目立つかな。

コソコソと中に入ろうとすると
生徒玄関でヤンキー座りをするモヒガン頭の男子が私をガン見する。

都会は髪も自由なんだ。

「おはようございます。今日からよろしくお願いします」

私は大きな声で挨拶をすると
モヒガン頭は反射的に「おっ……おお」って返事をしてくれた。

嬉しい。

よし。職員室を探そう!
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