きたない心をキミにあげる。
懐疑(B)









『圭太ね、さえないオタク男子になっちゃったけど。旦那が死んだときは、母さんはぼくが守る~! とか言ってたんだよ』


『そうなんですか? 意外です~』


『あの子、昔からゲームとかアニメとか好きだからさー。きっと悪いモンスターから守ることとか妄想してたんじゃない? お母さんはピーチ姫か! ってピーチ姫知ってる? ちょっと古いかな?』


『知ってますよ。最近でもマリオのゲーム出てますから』


『そうなんだー。良かった~あはは~』



圭太の家で、彼のお母さんと話した内容を思い出す。


守る、か。


ヘタレなオタク系男子だし、

そんなキャラじゃないと思ってたのに。



――あの……ちょっと待ってください!



お父さんにおびえる私を助けようと頑張ってくれた。



――や……俺がもっと強かったら、さっき駅前で愛美のこと普通に守れたのかなぁ。



頭を抱え込んで悩んだ後、こう言ってくれた。



圭太は、お兄ちゃんのことがあるから、私に優しくしてくれている。


そう仕向けたのは、私だ。



でも、彼の行動が、言葉が、単純に嬉しかった。




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