眼鏡とハンバーグと指環と制服と
第十一章ひたすら憂鬱でしかなかった
お正月休みが終わると、一足早く、夏生は学校へ行く。

……だって、教師はやっぱり仕事だし。

いつものように一緒に朝ごはん食べて、お弁当を持たせる。
出がけにおでこにチューしてもらって、夏生を送り出した。
家のことして、冬休みの課題をする。

そのうちお昼になって、ごはんどうしようかな、とか考えてたら、携帯が鳴っ
た。

「もしもし。
夏生?どうしたの?」

電話の相手は夏生。
仕事中にかけてくることなんて滅多にないから、なんか不安。

『あ、七尾さん?
あのね、いまから学校に来てもらえるかな?』

「……なにか、あったの?」

『え、あ、うん。
その……あ、城崎先生!』

『七尾か?ちょっと聞きたいことがある。
電話じゃなんだから、いまから学校に来て欲しい』

「……はい。
わかりました」

……なんだかよくわからないまま、城崎先生と一時間後に学校、と約束して携
帯を切る。
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