眼鏡とハンバーグと指環と制服と
第十二章なんでか私も笑ってた
……ただいま私、自分の置かれた状況が理解できないでいます。

「だから、俺、七尾のことが好きなんだ。
付き合ってくれないか?」

……あー、えっと、うん。
これって告白されてるってことだよね?

このあいだ夏生にいわれたこと、全然信じてなかったんだけど、ほんとにいる
んだ……。


——遡ること一時間ほど前。

私は図書室でひとり、プリントのホチキス止めしてた。

……あ、私は図書委員をしてる。
仕事といえば、月に一回ほど回ってくる貸し出し当番と、そしてやっぱり月一
の図書整理くらい。

今日は亜紀ちゃんも香織ちゃんも用があるっていってたから、図書室寄って帰
ろうとしたら、司書さんに見つかって、お知らせプリントのホチキス止めを手
伝わされてる。

まあ、その作業もだいぶ進んで、あとちょっとで終わるかなーって感じ。

……今日の晩ごはんはなにしよう。

そんなことをぼんやり考えながら作業を続けてると、誰かが私の前に座った。
顔を上げてみると、……安藤くん。
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