眼鏡とハンバーグと指環と制服と
第十八章ましになるかもしれない
あれからすぐに、近藤のおじさんとおばさんに報告した。

卒業したら、っていったら、
「すぐにでも結婚しちゃえばいいのに」
とか笑いながらいわれて、内心冷や汗かいた。


「……で。
夕葵ちゃんはどんなお着物、着たい?」

次の土曜日。
おばさんが着物を見に来てくれた。

……今回の話をしたら。

おじさんが
「嫁入り道具に仕立てよう!」
とか張り切っちゃって。

止めるのに苦労しましたとも、はい。

タンスから出して部屋いっぱいに広げられた着物と帯。
はっきりいって、どうしていいのかわからない。

「まず、どの着物を着るかが問題よね。
神事の、関係者席へご招待、だったわよね?」

「はい。そうです」

「だったら小紋は外していいし、振袖か訪問着になるけど。
夏生くんの奥さん、とかだったらもちろん訪問着だけど、まだそうなわけじゃ
ないし、振袖でいいと思うんだけど」

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