別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
奏人の車で会社に向かう。

道が混んでいて時間はかかるけど、電車通勤よりはずっと楽。

特に私は助手席だから、ゆっくり休むことが出来る。

「近くになったら起すから休んでろ」

奏人の言葉に甘えて少し眠ったせいか、会社近くに到着した時には大分気分がよくなっていた。

「じゃあ、またあとでね」

「気をつけろよ」

奏人は不満そうだけど、私は会社の駐車場まではいかずに、途中で降りる。

奏人と一緒に通勤していることを、まだ知られたくないからだ。

ひとり、あまり人気のない道を五分程歩き、自社ビルに入ろうとしたとき、誰かに肩を掴まれた。

「待って」

結構強い力で背後から掴まれたから、驚いてしまう。

動揺しながら後ろを振り向いた私は、そこに奏人の元カノ、朝美さんの姿を見つけて息をのんだ。

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