縁側で恋を始めましょう
4・


カーテンから朝の光が薄らと漏れて入る。
結局、一睡もできなかった。
鳴る前に止めた目覚まし時計をぼんやりと見つめる。あと二分でいつもの起床時間になる。

起きなければ……。
起きなければ遅刻してしまうのに、起きたら暁がいる。
先ほどから美味しそうな匂いがしているから、いつも通り朝食は出来上がっているはずだ。
でも、どんな顔で会えばいいのか。

うあぁー、と呻いて枕を抱えた。

昨日、あれからか何とかお風呂に入ったのだが、その時に首筋に赤くできたキスマークを見つけてしまった。
あの時のチクッとした痛みはこれだったのかと頭を抱える。
こんな外から丸見えの場所につけやがって、と思うと同時に、暁の唇の感触を思い出してカッと顔が熱くなった。

「あいつめ」

思い出して、枕に赤面した顔を埋めながら再び呻いた。


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