この関係を壊してでも伝えたいこと
金曜日の様々

こんなことってないよ

「あ、遊!こっち!」


「せんぱーい!よかった、見つけられて」


金曜日1限の体育は体育祭へ向けて、全学年クラス合同になるのが我が高校の伝統だ。


「ほら、アコも挨拶!」

「…亜湖です」


無理やり連れて来られました、って顔をしたアコちゃんが遊の後ろから顔を覗かせた。


「おはよう」


「…はい」


うーん、なんか嫌われてるのかな?


私はあこちゃんと関わったことあんまり無いんだけどな。



「アコは人見知りなんです」


「あら、意外」


「遊!そんなことないですから」


丸く大きな二重を凶悪そうに細めて遊を睨みつける。


「はいはい、整列しろって言ってるし行くよ」


「ちーちゃんが怒りそうだからね」



私達が列に並んだ数秒後にちーちゃんの怒声が校庭に響き、1時間目がスタートした。

< 32 / 309 >

この作品をシェア

pagetop