この関係を壊してでも伝えたいこと
月曜日の混乱

通りゃんせ通りゃんせ


掃除を少しもやる気のない凛ちゃんは日の当たる窓際にもたれて欠伸をした。


夕日になる前の穏やかな日差しに目を細めている姿は野良猫に似ている。


先に帰ってもいいのに、いつも待っててくれるんだよね。



「ハヅキ、髪とれてる」


寝ているかと思った彼が、トントンと頭をつつくジェスチャーをして首を傾げた。



「え?あっ、あれ?落としたかも…」


一つにまとめた髪はそのまま、飾りでつけていたリボンがない。


「…体育館か?」


「ほんと?ごめん、待っててちょっと取ってくるね」




リボンは2年前の誕生日に凛ちゃんから貰った物で大切にしている。


凛ちゃんは多分覚えていないけどね。



「それ気に入ってるよな、なんで?」とか聞いてくるんだから。

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