人事部の女神さまの憂いは続く

「これ、お土産です」

そう言いながら侑里がかかげている焼酎のビンに視線を向けて

「えー、私焼酎飲まないんだけど」

軽く文句を言ってみると

「知ってますよー。だから、香織さんにはこっち!」

紙袋の中から取り出したもを見せてくるので

「さすが!ハム好き!」

思いっきり褒めてあげた。するとキッチンから

「ニシユリ、こっち手伝って~」

けだる気な大輔の声が聞こえて、はーい、とニコニコしながら向かっていく侑里の後をついていった。


「おー、これ旨いじゃん」

焼酎グラスを満足気に眺めている大輔に

「でしょ、でしょー。藤木さんもお気に入りで大量にお取り寄せしてましたよ」

ご機嫌で答える侑里は、すごく幸せそうで安心する。
< 280 / 399 >

この作品をシェア

pagetop