人事部の女神さまの憂いは続く
「これ、お土産です」
そう言いながら侑里がかかげている焼酎のビンに視線を向けて
「えー、私焼酎飲まないんだけど」
軽く文句を言ってみると
「知ってますよー。だから、香織さんにはこっち!」
紙袋の中から取り出したもを見せてくるので
「さすが!ハム好き!」
思いっきり褒めてあげた。するとキッチンから
「ニシユリ、こっち手伝って~」
けだる気な大輔の声が聞こえて、はーい、とニコニコしながら向かっていく侑里の後をついていった。
「おー、これ旨いじゃん」
焼酎グラスを満足気に眺めている大輔に
「でしょ、でしょー。藤木さんもお気に入りで大量にお取り寄せしてましたよ」
ご機嫌で答える侑里は、すごく幸せそうで安心する。