Sweet Hell
第2章

ドキドキが止まらない

いよいよ当日になった。

今日のコーデは白の襟付きノースリーブブラウスに
カーキ色のチュールスカートでおしゃれ可愛くしてみた。
本当はヒールを履こうかと迷ったけど
浅草だし、いっぱい歩きそうだからぺったんこのサンダルを選んだ。

全身鏡を見ながら「よし!行こう!」と気合を入れて出発した。

電車に乗ってる間も心臓がドキドキしていた。
デート当日の逢う前ってやっぱこんなにドキドキするものだろうか。
私の場合は英会話にも自信がなかったから更に緊張もしていた。
ふぅー・・・と少しだけ息を吐いた。
取り敢えず英語が分からなくても身振り手振りでなんとかなるだろうと
心を落ち着かせた。

あー早く逢いたい逢いたい!
こんな電車に乗ってる時間なんか無くなってしまえばいいのに!
逆にこの逢うまでの時間は不安と緊張、妄想が入り混じり
まさに自分に課せられたドキドキ生き地獄のようであった。

浅草に着くと雷門と書かれた大きな提灯がある場所に向かった。
そこがジャスティンとの待ち合わせ場所だった。
その場所に近づくにつれて、まだいませんようにとか
あーいたらどうしようとかどうでもいいことでドキドキしていた。

そして、雷門が見えるとそこには日本人観光客数名の他に
外国人数名がちらっと見えた。

恐る恐る近づいて見ると1人だけすらっと背の高い外国人の顔が見えた。
ジャスティンだった。
彼の隣には2人の外人夫婦と日本人女性が一人、
あと綺麗な外人女性が見えた。

ジャスティンは楽しそうにその隣にいる綺麗な外人女性と話していた。
彼の笑顔が見えてドキッとしつつも恐る恐る私はその集団に近づいた。
するとジャスティンが私の存在に気づいたのか
私を見た瞬間、白い歯を見せ嬉そうに笑うと”Hi!”と声をかけてきた。

”Are you Maple?"

"Yes!!"

そう応えると彼は”おう!会えて嬉しいよ!”と言って
手を差し出してきた。
私も慌てて手を出し握手をすると”家族を紹介するよ”と言って
隣にいた外人夫婦を紹介した。

”こちらが僕のマムとダディだ。マム、ダディ、
こちらは日本人の友達、メープルだよ。”

彼の両親も”やぁ!会えて嬉しいよ”と言って
私との出会いを喜びながら握手をした。
彼の両親は少し、いや父親の方がかなり太っていた。
そう私はアメリカ人はみんな太っているイメージがあったから
まさにアメリカ人っぽいなと思った。

その次に彼の隣の綺麗な女性を紹介してきた。
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