みんなみたいに上手に生きられない君へ

・上手に生きられない君へ

「きてくれてありがとう」



翌日、圭佑くんに頼んで、部活前の和也くんをまた図書室に呼び出してもらった。

今日はこの前とは違って、和也くんは気まずそうに顔を伏せている。

でも、......きてくれただけでもよかった。

もしかしたら、きてくれないかなと思ってたから。



「何回もごめんね。
和也くんに手紙書いてきたの」



今日の図書室は、入り口の近くに、見たことのない男子二人がいる。

勉強していると思われる彼らを邪魔しないように、そこから一番離れた窓側のところで、静かな声で話す。



「......だから、俺手紙は......」

「今日の手紙は、私が声に出して読むから」



だから、和也くんが読まなくても大丈夫。


手紙を取り出した私に、和也くんは初め怪訝な顔をしていたけど、そう言うと、無言で窓から一番近い椅子に腰をおろした。
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