みんなみたいに上手に生きられない君へ
いきなり立ち上がって、私の目の前まできた和也くんは、なぜか泣きそうな顔をしている。



「フってなんかないよ。

俺も好きだよ。
おとなしい子だと思ってたけど、圭佑の家に一緒に行った日から、気になってた。
というか、たぶん、そのときから好きだった。

......ただ、自信がなかったんだ。
幻滅されるのがこわかった。

ごめんな、ありがとう。 

もし、こんな俺でも良かったら...... 

俺と、付き合ってください」

「......え?」



俺も好きって、どういうこと?
私、フラれたんじゃなかったの?

好きだよって言ってくれた和也くんの声がすごく優しくて、嬉しすぎるけど、すぐに事態についていけなくて、固まってしまう。

なんて反応したらいいのか分からない。 



「返事は?」

「返事、は......」  
  


固まっている私に、小さく笑いながら答えを促してきた和也くん。   

どう考えても、逃げられる状況じゃない。

覚悟を決めて、私は、震える声で返事をした。

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