みんなみたいに上手に生きられない君へ
前田くんみたいに、気さくで、みんなから好かれる人になりたかった。

失敗しても、クヨクヨしないで笑い飛ばせる人になりたかった。　　　


珠希ちゃんみたいに、いつも明るくて、友達が多い人になりたかった。　　　

可愛くて、愛される人になりたかった。　


みんなみたいに、もっと要領よく生きられる人間になりたい。

いつまでも小さなことに囚われる人間になりたくない。

　　
私みたいな、上手く生きられない、普通じゃない人間でなんて、いたくない。　　
　　

何で私はこんなにダメな人間なの？　
何で普通のことができないの？

　　　
こわい、さみしい。　
誰とも関わりたくないのに、ひとりになりたくない。　


得体の知れない不安に押し潰されそうになって、涙が止まらない。
　
布団を頭まですっぽりかぶって、声を押し殺し、時間も分からなくなるくらいに私は泣き続けた。

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