黒猫の香音(前編)
_七年前 橘建設。


「お疲れーっす。
…はぁ、疲れた。」


建設業の新人である瑠華は大分仕事には慣れてきたものの、ずっと休みが無かった所為かそれに伴って疲労が蓄積されていた。


早い所帰ろうと思い、若さの盛で改造された軽トラにそそくさ乗り込む。



ふと小さなライトが点滅している事に気付き、点滅している『それ』を取り上げる。



『それ』には『馨』と表示されており珍しげに瑠華はその差出人からのメールを開き内容を確認する。


「え、アイツ…いつの間に!?」



そこには『名前は"陽-はるひ-"です』という文章と添付された馨の息子らしき写真だった。



疲れは何処に行ったのやら…瑠華はすぐにその『差出人』に連絡を入れた。
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