ある雪の降る日私は運命の恋をする

朱鳥side

ピッ…ピッ…ピッ…ピッ……

乾いた電子音。

懐かしいな……数日前の事なのに、ずっと前の出来事のように感じる。

あれ?私……どうしたんだっけ?

…告白されて、付き合って…………その後の記憶がない。

なぜか私の口には、病院に運ばれてきて目が覚めた時のように管が入っていた。

ふと、右手に温かみを感じる。

……楓摩?

そこには、私の隣で疲れた顔で眠っている楓摩がいた。

手だけは離さないでいてくれたみたいだ。

そっと手を握り返してみる。

「…………ん?……朱鳥?……目、覚めたの!?よかったぁ……」

また、私倒れたのかな?

「今、管外すからね。ちょっと苦しいよ、我慢してね……」

そういって、私が出来るだけ苦しくないように素早く管を外してくれる。

「よし、できた。大丈夫?」

息を吸ってみる。

「スーーー……!!ゴホッゴホッ!!」

「朱鳥、落ち着いて。ゆーっくり深呼吸してごらん?ほらスーハースーハー」

呼吸がだいぶ落ち着いてくる。

「……ん、ありがと…………楓摩、私どうしたの…?」

「あぁ、朱鳥意識朦朧としてて覚えてないんだな。」

「え?」

「んーと、どっから話せばいいかな……?」

少し迷ったように考えてから、楓摩は口を開いた。

「えっと、俺たちが付き合った日……覚えてる…?///」

「う、うん///」

お互い、少し恥ずかしくて顔を赤らめる。

「その次の日にね、朱鳥は高い熱を出したの。それに、喘息も出ちゃってさ。しかも、意識だけは保ってって言ったのに朱鳥、意識飛ばしちゃったんだもん。それに、それから3日間眠ってたし。大変だったんだよ?」

「え!?そうなの?ごめん!迷惑……かけた…よね……」

「ううん、大丈夫!俺は、朱鳥が無事だったらなんでもいいんだ。……なんか、最初の頃思い出すな(笑)」

「そうだね(笑)やっぱり、楓摩は頼りになるね!よかった。」

「嬉しい事言ってくれんな。ありがと」

そういって、2人で笑いあった。
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