密かに恋焦がれて
変化

今日は金曜日。

会社帰りにお店に寄るとおじさんしかいなかった。


ヒロがいない……。


入り口の扉を軽くトントンと叩くとおじさんは気づいて開けてくれた。


「おじさん今日はヒロはいないの?」


「迎えに来たのなら弘高はもう琴美ちゃんちに行ったよ」

迎え?

「久しぶりに泊まらせてもらうようだけど悪いね」


「家に……来るの?」


「もしかして琴美ちゃん知らなかったのかい」

お兄ちゃん達からは何も聞いてない。


「最初は康也君と夜に飲みに行くと言っていたんだけど琴美ちゃんの家で来てと言われたから今日は泊まるって言っていたんだけどね」


私はおじさんに帰ると言ってお店を出た。


ヒロが今、家にいる……。
はやる気持ちを抑え家まで急いだ。


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