純情シンデレラ
最終章 結ばれた冬
年が明けて、1月も10日が経った日。
2週間近い休みを終えた私は、不知火商事へ今年初の出勤をした。

課長以上の役職に就いている方たちは、6日から初出勤をしている。
でも姫路社長は、今週一杯まで休むそうだ。
恐らく喪に服すという意味だろう。

姫路さん・・・。

元々姫路さんは、会社にはあまり来なかったし、所属している課も違うし、来てもすぐ帰ったりで、そうしょっちゅう会うことはなかったけれど・・・もう姫路さんが会社(ここ)に来ることはないんだと思うと、悲しさがこみあげてきてしまった。

私は慌ててその悲しさを押し出すように、ため息を一つつくと、不知火商事へ入っていった。

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