爆走姉貴ー星路の苦悩ー

美月と言う名の悪魔

朝。

清々しい朝だ。


そして、夏休みが明け、今日から新学期。



俺はいつもの様に洗面台の鏡に向かい、両手でヘアワックスを伸ばしていた。



昨日、美容室で軽くパーマをかけてみた。

山下智久風に。



なかなか似合っていい感じだな。





指先で髪をつまんで整える。


新学期だからな、ちょっと一学期とは違う自分を演出したいって感じ?



俺だって普通の高校生。

外見にはそれなりに気を使う。





「よし…」




全体のバランスを確認し、ふと鏡に向かい微笑んだ時だ。









ブオオオォ――――!!


「うわあっ?!」




突然の強風が俺の後頭部を襲った!

つか、熱い風だ!




「っ何だよ!」

「何だよ!って何だよ」





怒りから勢いよく振り向いた俺は硬直した……。







俺の背後に立っているのは……。


ピー〇ジョンの白いベビードール姿の…。



「今すぐそこを退け。ここは今から、あたしの美を育むサンクチュアリとなる」

「美月!!」



美月が起床してきたぁっ!

しかも手には、美容室専用ドライヤーが!
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