爆走姉貴ー星路の苦悩ー

悪魔の追跡

美鈴の手を取り大通りを走る。

とりあえず、美月に見つからない所に行かないと、全く事が進まねぇっ!



交差点を渡り終え、走るペースを少し落とそうとした俺の耳に、何かがアスファルトに引きずられる様な音が聞こえた。



まさか……?

思わず振り向く。




ズガァァァ――――っ!


「星ちゃ〜ん!人間寛大さを持たないと、スレていくだけだよ〜?」



美月がキックボードに乗って追い掛けてきたぁっ!!

寛大さを主張するなら、まず自分から示せ!

何で追い掛けてくる?!
そっとしておくのも寛大さじゃないのかよっ!







「美鈴!もっと速く走れ!」
「ちょっ…星路くん?」




美鈴の手を引きながらペースを上げた!
美鈴は辛そうだけど仕方無い!


美月を巻くのが先だ!





必死で逃げる俺と美鈴。

美月の野郎が迫ってきたぁ!





「余裕が無くなると、逃げればいいと思って。人生そんな甘くないよ」
「うわぁっ――!!」



俺と隣り合わせで美月が走行し始めた!




「やだな〜星ちゃんみたいになりたくなぁい」
「なら放っとけよっ!」






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