こじれた恋の終わらせ方
番外編１　再会と元カノの言葉
「千尋はさぁ、私じゃなくて麗華が好きなのよ。」


そう言ったのぞみの言葉に俺は固まった。


「麗華って九条麗華？」



のぞみの友達で、俺らのクラスメイトでもある九条麗華を思い浮かべた。



「何言ってんの？九条はお前の友達じゃん？」


「だから何？そんなん理由にならないよ。千尋は気づいてないだけで、麗華のことが好きなんだよ！！」



そう言って彼女は泣きだした。



高校二年の途中から付き合い始め、高校生活の半分以上を恋人として過ごした彼女の衝撃の発言に俺は固まった。


確かに、九条との仲は悪くないと思う。でも友達以上の感情はそこにはない。むしろボーイッシュな見た目にコンプレックスを抱いていることろが妹の真尋と似ていて、兄のような感覚だった。



「そんなこと疑いながら俺と過ごしてたの？」


そう尋ねた俺に、彼女、正確には元カノは何も答えることなく走り去って行った。



東京の大学に進学することが決まっていた俺らだったが、別の大学だと言うこともあり、絶対にうまく行かないから、今別れたい。と言ったのぞみの提案を受け入れた後の言葉だった。



呆然と立ち尽くす俺は、この時、のぞみのこの発言にとらわれることになるとは思いもしなかった。
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