二人だけの甘い聖夜を
二人だけの甘い聖夜を



突然、どうしたのかと思った。


『今年の二十四日は、二人だけで過ごそう』


そんなメッセージがスマホに入ってきたのは、ちょうど一週間前。



仕事から帰ってきた優斗に私がまず聞いたのは、

「瑠夏と駿は? どうするの?」

だった。



結婚して七年。

今年五歳になる長女と、三歳になる長男が生まれてからは、夫婦だけで過ごす時間は無いに等しい。


子どもたちが寝てから録画したドラマを一緒に観たり、その日の話をしながら少し晩酌したり、その程度が二人の時間。

それが当たり前の生活になっているし、疑問も不満もなかった。


結婚して子どもが生まれたら、どの家庭もそうなんだろうし、当たり前。

休みの日だって、子どもたちを差し置いて二人で過ごしたことは今までだって一度もない。


まして、その日はクリスマスイブ。


サンタさんが来ると子どもたちが一年の中でも楽しみにしている大事な日だ。



「家族でやるクリスマスは二十五日にすればいいよ。二十四日は、お袋に子どもたち見ててもらうようにもう話したんだ」


「え?! そうなの?」


「だから心配ないから。お袋、クリスマス孫たちと過ごせるってかなり張り切ってたし、たまには任せてもいいだろ。瑠夏も駿も、おばあちゃん大好きなんだし」

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