そこの御曹司、ちょっと待ちなさい!

・悲願達成

非常にクセのある慎吾の一番上の兄が嵐のようにきて去っていた事件のあった週の週末、金曜。

いつも通り定時に上がった私と、今日はいつもよりも早く仕事を終わらせた慎吾。

突然慎吾に誘われて、例の婚約パーティーがあった高級レストランにきたけれど......。


「こんなに急で、よく予約とれたね」


たしかに、以前から今度は二人で来たいねと言っていたし、職場のあるビル内で仕事後でも行きやすい。

だけど急に今日行こうと思い立ってすぐに行けるほど、ここは気軽な場所ではないように思う。


「電話したら、たまたま今日空きが出たって言うから」


慎吾は何でもないことのように言うけど、たまたま、にしてはずいぶん良い席だ。

宝石のような夜景がよく見える窓際の特等席。
正面には、いつものように質の良さそうなスーツを着て、食前酒を口にしている慎吾。

金曜だし念のためにと、買ったばかりの春の新作きれいめワンピースを着てきて良かった。




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